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【本メモ】『スーパーエンジニアへの道〜技術リーダーシップの人間学〜』

『スーパーエンジニアへの道〜技術リーダーシップの人間学〜』を読んだので、本メモを公開。

スーパーエンジニアへの道―技術リーダーシップの人間学


  • まず「変化」そのものについて理解をしよう
  • 自分を通して変化を体験しよう
  • そして自分自身に対しても理解を深めよう
  • セルフイメージによって、自分の反応は変わる
  • イデアが醸成される場をサポートしよう
  • 人間としていつも誠実に向き合おう
  • リーダーシップを各人が問題解決できる環境づくりに用いよう
  • 自分の強みを使って実践を通して取り組みながら学ぼう
  • 「自分で自分の教育に責任を持つ」という考えの元、ブレストから計画作りを始めよう

リーダーシップのMOIモデル

変化が起こるためには、環境に次の三つの成分が含まれていなければならない。 自分をより有能な問題解決型リーダーに変容させることに成功するために、三つのことが必要。

M-動機づけ(Motivation)

トロフィーであるかトラブルであるか、またひと押しであるかひと引きであるかは問わず、 関係する人を突き動かす何ものか

O-組織化(Organization)

アイディアを実際に実現することを可能にする、既存の構造

I-アイディア(Idea)ないし技術革新(Inovation)

タネ、すなわち実現されるもののイメージ

リーダーシップとは、人々が力を付与されるような環境を作り出すプロセスである。

問題解決型リーダーたちはつねに使えるアイディアはないか、
とほかの文脈を探し歩いているもの。
自分または他人によってすでにうまくやられたことを、もう一度やりなおすことには、興味を示さない。

どんなアイディアも、出てきたばかりときから完璧だということはない。
コピーしてきたアイディアでさえ、新しい環境に合うように調整しなければならない。

自分が単に我を張っているだけである場合には引っ込め、
グループの自分以外のメンバーが致命的な誤りに向かってつんのめっているにときには頑張る必要がある。

すべてのアイディアが有用だとは限らない
すべての人は有用である
言葉の選択には注意を払い、アイディアのみを批判し、決して人を批判しない。

真の問題解決型リーダーとして認知されるためには、
少なくとも何ほどかの動機づけ、および組織化の能力が必要である。
逆に、動機づけまたは組織化によって指導する力は、
技術革新によるリーダーシップの能力が少量でもあれば、ずっと増す。
これこそ、自分がそういうタイプだと思うか思わないかにかかわらず、
問題解決型リーダーになるための道を調べることによって、
万人が学びとることのできる教訓である。

変化はわれわれが朝食に何を選ぶか、
というところからはじまるものだ。
この、問題解決型リーダーシップという、より静かな様式を、
人生とか自由とか幸福の追求とかいった日常的な問題に適用してみれば、
それが力の源になることに気づくかもしれない。

技術革新への障害

自己に対する盲目 -  障害第一番

人がわれわれを見るように自分を見る、ということの不可能性こそ、
自己改善への最大の障害である。
このたった一つの障害に、問題解決型リーダー志願者の大多数が引っ掛かる。

自分自身への気づきを高める法

自己盲目性という、他の障害を克服する上でじゃまになる障害を克服する助けをしてくれる。

動機づけに関しては、読者が本当に変わりたいと思ってないなら、無力。

三箇月間、個人的な日誌をつけるのに毎日五分間使うこと。

記録をとる、という行為に対して忠実であるためには、
あらゆる補助手段と刺激が必要。

個人的日誌
一日のうちいつそれを書くかは重要ではない。
それどころか、毎日決まった時間に書くことすら重要でない。
重要なのは、毎日確実に五分間は書くように保証するための、
何らかの方法を見つけ出すことである。

本能がそれを要求したときに書くことは重要だが、
本能が要求しないときにも書く、ということはいっそう重要なのだ。

もし自己観察のための時間を一定のパターンにしたがって確保できないようなら、
読者のリーダーシップ養成計画は重大なトラブルを抱えている、ということになる。

何について書くか
日誌をつけることによって、仮にほかには何の情報も得られなかったとしても、
自分の行動を変えようと思ったとき、
自分がどう反応するかを知ることはできるのだ、ということを示している。

ほかの人々に何か簡単な変化を要求したとき、彼らがどう感じるか理解できるようになる方向に、
第一歩を踏み出すことができる。

『自分について書きなさい』

- 何が起こったか
- 自分がそれにどう反応したか
- 何か学んだことがあれば、それについて

たいていの場合、何も学びません。
学ぶのはずっと後になって、その項目を読みなおしたときです。

日誌をつけるのは、自分自身について学ぶため。

日誌を、技術リーダーになるための第一歩としてお勧めしたのは、
それがごく小さな約束ごとであって、それをしないための筋のとおったいいわけがほとんど見当たらない、
という理由によってであった。

三大アイディア生産法と技術革新に対する三大障害の間の関係
・自分自身に対する気づきが欠けていると、人は自分の誤りに気づかず、したがってそれをとらえてすばらしいものに変換する、ということができない。
・自分は最高の知性を持っている、と信じ込んでいる人は、他人の仕事を引き写そうという気を起こすことがないから、創造的な盗みの恩恵にあずかることができない。
・またすべての問題には一つただ一つの正解があると「知って」いる人は、アイディアを組み合わせることなんかばかばかしいと考えるので、結合を利用することができない。
アイディア生成の三大戦略
- 誤り
- 盗み
- 結合

人に動機づけを与えることについての大障害

なぜコミュニケーションはこうもねじ曲がるのか
自己評価
私自身について私が持つ感じ方は、私が応答するしかたに強力な影響を及ぼす。

コミュニケーションの道をつける法
「彼らに自分が何を知覚しているか、知覚しているものに対してどう感じているか、
そしてもし可能なら、その感じについて自分がどう感じているかを告げなさい」

「私には弱味があります。ただし私は、自分の弱味をさらけ出せるに十分なだけ、
自分とみなさんについて自信を持っています」
自分の弱味を示すことによって、自分自身について知る必要のある情報をもたらすかもしれないチャンネルを、
開くことになる。

問題解決型リーダーとして成功するためには、
人々が人間であることをつねに前面に出しておかなければならない。

もしあなたがリーダーなら、人々こそあなたの仕事の対象である。
それ以外にする値打ちのある仕事はない。

## 人を助けることの難しさ
もし人々がこちらの助力を欲していないのなら、
いくらこちらが頭のいい、すばらしい人間だったとしても、
われわれは決して彼らを助けることには成功しない

彼らがこちらの助力を望んでいるかどうか、いつも確認しよう。
確認のためのもっとも簡単な方法は、
助力を望んでいるかどうか聞いてみることである。

気遣っている、ということを納得させる必要がある。
ただ一つの確実な方法は、本当に気遣うことである。
自分をだましてはいけない。
もしリードさる人々について真に気遣うということをしないなら、
リーダーとして成功することはありえない。

他人を愛する能力、そしてひいては他人を助け、他人をリードする能力は、
自分を愛する能力から出発する。

他人を助けようという試みは、つねに成功するとは限らない。
助力者として困難にぶつかった場合、どう反応するかは、
自分自身に対する感じ方によって決まる。

もし自分を軽視していたとしたら、
そのことは人々に動機づけを与えようとする試みの一切に対して、
じゃまを入れることになろう。
人を助けようと乗り出す前に、まず自分について検討してみた方がよい。

組織化

力の使いかた
リーダーに必要な資質はほかにもある。
利己的でないことがそうだ。
リーダーの役割:全員が力を付与されるような環境を作り出す
そういう環境を作ることに使うのでなかったら、
彼らは自分たちの力を高尚な目標に、きちんと向けていることにはならない。

大切なのは、最良の方法を知ることではなく、
現在の状況下において最良の方法を知ること。
状況が変われば、組織も変わらなければならない。
もっとも有能なリーダーとは、
状況が変化したときにチームがそのことに気づき、適切な新組織を見つけ出すための手助けをする人にほかならない。

有効な組織作りへの障害-人を機械扱いにする

自分の意志決定と命令を、ますます厳格かつ厳密にしようとし、
人を機械であるかのように扱うというのは、有効な組織作りにとってもう一つの大障害である。
それをやりすぎると組織を基礎づけるための標準と手順の山がどんどんふくれ上がる、ということになる。
そういったものは、精密になればなるほど有効性を失う。
誰も読もうとしなくなる。
ましてや従おうなどと思わなくなる。
手順書やメモをを書くことによって組織しようと忙しくしているリーダーは、
じきそれらに従うはずの人々との接触を失うことになる。

有効な組織作りへの障害-自分でやってしまう

通常リーダーの仕事は、単一の問題を解くことではなく、
多くの問題が、しかも現在のみならず将来にまでまたがって解かれてゆく環境を作り出すこと。
もちろん目前の問題が解けなければ、将来はない、という場合もある。
その場合は介入して解いてしまうことも必要かもしれない。

その問題は、本当に生死に関わるのか。
これはリーダーによって、もっとも困難な判断になる可能性がある。

組織作りの主題は、問題を解くことではなく問題を回避すること。
一度問題と取っ組み合いをはじめてしまったら、
本当に有効な組織作りをするにはもう遅すぎる。
恐らく有効な組織作りのための最大の障害は、
われわれが有効でない組織作りに報償を与えたがる、その熱心さにある。

リーダーの基本姿勢は、
個々人が問題を解き、決定をくだし、それらの決定を実施に移すのではなく、
むしろ全員が問題を解き、決定をくだし、それらの決定を実施に移すことができるような環境を作り出すことに向けられる。
このモデルでは、組織作りとは厳格な規則を作り上げることではない。
組織作りとは命令することでも命令を受けることでもない。
仕事を片付けることである。

組織作りの学び方

人々の生活に影響を与える場面で間違いを犯すことを恐れ、
まず理論をマスターしたいと思うのだろう。
理論は重要だが、それで間違いが全部予防できるわけではない。
人々をどう組織化するかについては、
互いに矛盾した理論がたくさんあり、それらは実体験を道案内としない限り理解することすらできない。
組織に影響を与えるような仕事に手を出せるだけの実体験なしに、
どうして実体験を得ることができるものだろうか。

要するに、どんな活動でもいいから、さまざまな組織形態の中で、
さまざまな役割を担ってみて、それがどんな感じがするものなのか経験するのである。

「彼らはみな、この状況の中で彼らにできる最良のことをしている。
もし私が、彼らはなし得るベストを尽くしてないと感じるのだとすれば、
それは私が状況を理解してないせいだ。」
「状況」とは、組織とすべき仕事の間の不整合であることがふつう。
問題解決型リーダーシップの三つの主要機能のどれかについておかしいことが起こっている、
と仮定してものごとをよく見る、というようにしている。
・問題を定義する
・アイディアの流れを助長する
・品質を管理する
目前の問題にふさわしくない種類の組織の中では機能障害を起こす可能性がある。

リーダーがものごとに対処するやりかたには、大きくわけて二種類ある。
それは動機づけに重点を置くか、組織化に重点を置くかの違いである。
状況を誰かほかの人のスタイルで処理しようとする、という誤りを犯さないために、
自分の強みがどこにあるかを知っておくのはよいこと。
「自分の場合にもっともうまく行きそうで、しかも自分がそれでいやな感じにならないようなことをおやりなさい」

変容

変わるための計画を立てる

個人的業績に向けて計画を立てる
第一段階
個人的業績についての目標を立てる。
ただしそれは何か安全で、新しくて、自分一人でできるようなものとする。
その業績は、どの程度の成績が得られたかがその場でわかる、という意味で即時性をもっていなければならない。
第二段階
第一日には成績の最低水準がどれだけであるかをはっきりさせる。
次に少なくとも毎日一回、練習を進めるにつれてどれだけの進歩が見られたかを自分の日誌に記録する。
第三段階
最終日には、どれだけできるようになったかを人に示し、
その業績を求めて努力するうちに何が起こったかを人と議論するようにする。

業績に向けて計画を立てるのは、ものごとをどうやって達成したらいいか学ぶための方法になっている。
固有の変化のスタイルがどのようなものであるかを知るためには、
その手はじめとして自分なりの業績計画を立ててみるとよい。

学ぶであろう最初のことは、何かを学ぼうとしたとき提言に抵抗するしかたは、
どういうスタイルを持っているかである。

変化というものの性質を理解している人なら、
それと同様の理由によって、
ありふれた小さな変化が積み重なってゆけば、
あるとき突然何か大きくて異常なものの瀬戸際に立たされることになる、ということを予測できる。
自分自身と自分の変化に対する反応を理解している人なら、
その瀬戸際まで行って思い切ったことをする勇気が持てる。

何千という学習の機会に取り囲まれている。
ただし計画を持って対応しないと、その大部分をのがすことになる。
計画作りは、ブレインストーミングによってなにほどかの項目を追加する、
というところからはじめるといい。

ブレインストーミングでどんなリストを作るにせよ、
またほかの人からどんなアドバイスを受けるにせよ、
作る変化のための個人的計画は、本質的には自分自身を理解する、というのが目的。
それはほかの誰にもできないこと。
計画の第一段階は「自分で自分の教育に責任を持つ」というものであるべき。

黄金律は、人にしてほしいと思うことを人にもせよ、と教えている。
「何でもあなたが本当にしたいと思っていることをなさい」というのは、
私がいってもらいたいと思うことである。
このアドバイスは、最良の支援者からのアドバイスである。
そういう人を私は、ずばり、「親友」と呼ぶ。

なぜ私はこれを書いたのだろう。
私は自分が、私のリーダーであった人々に対する感謝の気持ちからこれを書いたのだと思う。
彼らが教えてくれた幸福を私が読者に伝え、
読者がこの幸福をほかの人々に伝えて下さるなら、それが彼らが施してくれた恩恵にもっともよく報いる道なのだと思う。
それ以外に、どんな理由があろうか。